刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
ぶるるっと体に寒けを感じて目が覚めた。んんっと隣の温もりに身を寄せる。
あれ?
ぼんやりとした頭で隣を見ると、そこにいるはずの愛しい存在がいない事に気付く。
…触るとまだ温もりがあった。
外はまだ暗くて時計を見ると夜中で、かけられていただろう肌布団はすっかりずれてしまっている。二人で寝ている分にはちょうど良かった部屋の温度が、少し体温の高い大倶利伽羅さんがいないだけで肌寒く感じゆるく動いていた冷房を消した。
鶴丸が戻ってくる前に部屋に戻ったのかなぁ…そう思い肌布団を掛け直し目を瞑るも、何故か胸騒ぎがしてガバッと起き上がった。
昨晩彼に抱かれた体は思いのほか怠く、腰に違和感が感じられる。
引きずるように自室を出て、執務室を通りぬけ廊下に出て…玄関に向かって足早に歩いていると、月明かりが照らされているだけの薄暗い中でふっと人影が動いたような気がして急いで駆け寄った。
「か、らちゃ、ん…」
暗い中愛しい彼が振り返った姿は、しっかりと修行道具を身に付けていていつでも出発できる状態だとはっきり分かる。