刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
いつも行為の時には沢山の痕をつけていたが、彼女が嫌がるためそれはいつも服で隠れる位置に残していた。
…だが今晩は見えるところばかりに付ける。
勿論俺がいない間の虫よけだ。あんたを朝まで抱き潰して俺の神気に染めるのが一番効果的な方法だが、それでは次の日の任務に支障をきたすかも知れないし、何よりそうなってしまった時に俺が助けてやれない。
あんたは俺だけのものだと、いつもより強く吸い、すぐには消えないように所有印を残す。
ぢゅ…ぅ…っ
「あ、…ふっ…」
吸い付く度に彼女の体が揺れ動きくぐもった声が出る。一通り付け終わると彼女が不満げに口を開いた。てっきり文句を言われるのかと思ったが…
私も付けたい──
一瞬、何のことか分からずにいると上着とシャツを同時にずらされ肩口に彼女の柔らかい唇が押し当てられる。
そして、ちゅうという少し可愛らしい音と共にちくり、と小さな痛みが走った。
「…っ、あんた何して…」
「何って…私も付けたいのっ、伽羅ちゃんばっかりずるいっ!」
恐らく俺と同じことをしているのだと分かった。
肌に吸い付き、赤い痕をつける。
所謂独占欲の証だ。