刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第33章 幸せな痛み
彼女の中に雄が少しずつ埋まり、包み込まれていく感覚に再び奥歯を噛みしめた。
俺の名を呼ぶ、苦しそうな何とも言い難い彼女の声が明瞭に聞こえてくる。辛い思いをさせたくない、痛い思いをさせたいわけじゃない、そう思うのにうまくいかないのは仕方がないことなのか。
「おおくりかっ…あぁ!」
「…すまない、少し耐えてくれ…っ」
少しでも紛らわせようと口付け、彼女の強張りを解すように徹する。
ゆっくりゆっくり押し進めてようやく全てが飲み込まれた。
「っは…、全部、入った…」
「ほ……ほ、んと…?」
「…あぁ」
何とも言い難い多幸感が俺を包み込む。
痛さに耐えながらも懸命に俺を受け入れてくれた彼女が愛しくて、思わず抱き締めた。
「凄い…ね…お、お腹…伽羅ちゃんで…いっぱい…」
「…っ!」
…あんたは自分で何を言っているのかわかっているのか。無意識に吐かれた恋しい相手のその言葉に、思わず昂っている雄が暴発してしまいそうになり焦る。
「…煽るな!抑えられなくなるっ」