刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
厚くんが満面の笑みで言う。
宴…ということは、私達の関係を皆が容認してくれたって事なんだろうか。
「あるじさま、僕は大倶利伽羅さんが好きなので嬉しいです…大倶利伽羅さんは優しいですから…きっとあるじさまを大事にしてくださいます」
さっきまで大泣きしていた五虎ちゃんが、大分落ち着いたようで嬉しい事を言ってくれた。思わず思い切り抱き締めた。それにより懐にいる信濃くんがぐえと呻き声をあげる。
「信濃くんごめんっ」
「潰れるかと思った」
信濃くんが口を尖らせている。
「ま、ボクはいち兄の方が優しいし、断然格好いいと思うけどね?」
「俺もいち兄とくっついて欲しかったんだけどなー!そしたら主は俺のお姉さんになるんだろ?」
「ええっ?」
「俺は大将の懐にさえ居られれば何でもいいや」
信濃くんの言葉は置いておいて、さすが粟田口、お兄ちゃんの一期さんが大好きなんだな~!
そして暫く皆でお話していたら、カチャリとドアが開いて大倶利伽羅さんが「昼餉の時間だ」とお膳を持って入ってきた。
乱ちゃんが、キャーキャー騒いでいる。その様子に大倶利伽羅さんは顔をしかめている。
懐から離れようとしない信濃くんを乱ちゃんがひっぺがして、ごゆっくりーと口々に言いながら短刀ちゃん達は出ていった。