刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
…
…
コンコン…
遠慮がちに部屋をノックする音と「おい、大倶利伽羅いるんだろ?」と言う小さい声で目が覚めた。
まだハッキリしない意識の中で「だれ…?」と呟く。
「主?目が覚めたのか?」
「くにひろ、くん…?」
「ああそうだ、入っていいか?」
「うん…」
病み上がりと寝起きという事で正常な判断が出来ていなかった。思わず聞かれた問いに素直に答えてしまい、ハッとするけどもう遅い。
忘れていた。大倶利伽羅さんが私をぎゅうっと抱き締めたまま寝ていることを!!
「あ、ちょっ」
制止する間もなくカチャリと扉が開かれた。
慌てて起き上がろうとするも、大倶利伽羅さんの腕がガッチリ巻き付いている。
「!!」
「……あ、これは、その…」
「大倶利伽羅は…、寝ているのか?」
「うん…」
情事の後を見られた訳でもないのに、すごく気まずい…大倶利伽羅さんの腕をほどこうともがいたけど、動けば動くほど何故か更にガッチリ捕まえられる。
寝てるはずなのに何故だ…