刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第25章 真夜中の出来事
大倶利伽羅さんの軟らかい髪の毛が頬に当たり、少しくすぐったく感じていると、埋めていた顔が肩口から首筋に寄せられ、ちゅ…と首筋を啄まれた。
「…っ」
「あんたの匂いがする…」
唇を首筋に押し付けながらポツリと呟き、そのままちゅ…ちゅ…と何度もキスを落としていく。
はぁ、と大倶利伽羅さんの熱い吐息が首を掠めて、ゾクッと肌が粟立った。
「あ…ちょっ…ひぁっ」
「……ん」
最後にぢゅ、と音を立てて吸い付かれた後、大倶利伽羅さんの大きな掌が私の両頬を優しく包み込み、ぐっと上を向かされた。
目を閉じる間もなく、大倶利伽羅さんの唇が落ちてくる。
唇を何度も啄む音が静かな執務室に響いて、動揺するあまり閉じることをすっかり忘れていた視界に、大倶利伽羅さんの閉じられている瞼が映った。
暫く呆然と瞼を見つめていたら、彼の伏せられていた長い睫毛が持ち上がり、至近距離で金の瞳に射抜かれる。
「…ッ」
ちゅ、と唇が離され見つめられた。
「おお、くりから…?」
大倶利伽羅さんの眼差しが、そこに灯る色が…いつものそれとは少し違うように見えて…
私の頬を包んでいる掌も…とても熱く感じるのは気のせいだろうか…