刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第1章 審神者になる
今日から私は審神者になった。
ごくごく普通の生活を送っていた私は、大学の健康診断で審神者の適正があると分かった。
政府の人が家に訪れ、審神者になるよう説得される毎日。そもそも審神者という言葉すら聞いたこともないのでなんの事を言っているのかさっぱりわからない。そんな状況だった。
──悩みに悩んで反対する両親を説得し審神者になると決心してからは、それはもう慌ただしい日々に変わった。勿論大学も休学手続きをとった。戦争が早く終わったら復学するために。
そうはいってももう復学することはないとは思うが。
そしてあれよあれよと今に至る。
本丸と呼ばれる立派な日本家屋に案内され、この5振りの刀から好きな刀を選んで下さい、それが貴女様の初期刀となります。とこんのすけに言われた。
刀の事など全然分からないけど、何故か惹き付けられたその中の一振りを手に取った。
「それで…どうすればいいのですか?」
「刀に審神者様の霊力を注いであげれば良いのです。それでその刀に宿る刀剣男士様が顕現されますよ」
細かいことはこんのすけに聞いてくれと政府から言われているので、何もかも初めての事でパニックである。
「どーやって霊力を?」
そもそも自分に霊力があるという事も最近知ったのに。