刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第3章 勝手な行動
次の日大倶利伽羅さんに呼び止められた。
昨日の件で何か言われるんじゃないかとつい身構えてしまう。すると神妙な面持ちをした彼が急に頭を下げてきた。
「すまなかった…」
「っ、え…?」
「昨日あんたに言われて色々考えた。…あんたに泣かれるとどうしていいかわからなくなる。あんたに泣かれるのは…嫌だ。……だから、無茶をしないように出来るだけ善処する」
「…」
「話はそれだけだ」
そう言って彼はすぐさま踵を返し、去っていく。
思いもよらぬ言葉に固まっていたら光忠がきて、満足そうにクスリと笑った。
「昨日、主ちゃんが手入れ部屋から走って出て行った後ね、伽羅ちゃんショック受けて固まってたんだよ。相当こたえたみたいでね…彼なりに反省したみたいだし、伽羅ちゃんはもう大丈夫だよ」
そう言って、頭を優しく撫でてくれる大きな手。そんなことされたらまた涙が出てしまう…
「よ、良かった、私…大倶利伽羅さんに酷いこと言っちゃって、もう駄目かと…っ」
「駄目じゃないよ?良く頑張ったね。大丈夫だから、ね?」
「…大倶利伽羅さんがっ無茶しないって言ってくれた!」
「うん、うん」
なんて情けないんだろう。
昨日から泣いてばっかりだ…
「み、光忠…ごめん、なさ…情けない主で…ぐすっ」
「情けなくなんてないよ、僕は嬉しいよ?だって君が心を許してくれているって事だからね」
その後も暫く泣いてしまったけど、光忠はずっと傍にいてくれた。