刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第15章 大切な家族
それから大倶利伽羅さんの事を考えないようにしていたが、気を抜くとすぐに目で追ってしまっている自分がいた。
そんな日々が続いていた時、その知らせは突然届いた。
仕事をしていたら、今週の近侍である前田くんから「主君、文が届いてました」と手紙を渡された。
ありがとう、と受け取り、差出人を見ると政府からで、また特別任務か戦績の知らせかなぁと、封を切って読んでみると…
そこには目を疑う文字が並んでいた。
頭が真っ白になり
頬に涙が伝い、後から後から溢れでた。
「主君!どうなされましたか?」
「…」
「主君!?」
「あ、…あ」
暫く何も考えられなくて、言葉が出てこなかった。
これは現実なんだろうか…それとも夢…?
…
…
…
夢じゃ、ない…。
「その文には何が書かれていたのですか!?」
「ご、ごめん、ひっく…ま、前田くん、一人に、一人にして、ほし…い…」
「っ、……主君…承知、致しました」
なんとか言葉にするも、私のただならぬ雰囲気に気付いたのか、それ以上は何も言わず前田くんは執務室を出ていった。今の私には彼を気遣う余裕が一つもなかった。
「ひっく、うっ、うぅ」
執務室にしゃくり上げている声が響いた。