刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
私がそう聞くと、大倶利伽羅さんは少しだけ目を伏せた。
「…怖くないわけがない」
低い声。それでも正直な響きだった。私が逆の立場だったら、それをすることによって大倶利伽羅さんの気持ちが離れてしまったら…と怖くて仕方がなかっただろう。
それなのに大倶利伽羅さんは私を守るために、こんな残酷な役を引き受けてくれた。
「あんたが傷つくよりは……ましだと思った」
大倶利伽羅さんの言葉に胸が、ぎゅっと締め付けられる。
「…うん、ありがとう」
その瞬間、彼の腕が私の肩を抱き寄せる。決して強くはない、でも逃がさない抱き方。
「礼を言われる筋合いはない」
低くそう言ったまま、大倶利伽羅さんの腕は私を離さなかった。彼の温もりを感じながら胸に顔を埋め幸せを噛み締めたほんの一瞬。世界に二人きりしかいないみたいな、静かな間。――だったはずなのに。
「……なぁ」
間の抜けた鶴丸の声が、すぐそばから飛んできた。
「貞坊、今の見たか?」
「見た見た」
「伽羅坊のやつ、ここぞとばかりにがっつり主を抱き寄せてたよな?」
「うんうん、主もくっついちゃってさ」