ボーダー最強が暗殺教室に通うことになったみたいで。
第5章 椚ヶ丘中学三年E組 通称ー暗殺教室ーでの任務開始
NOsaid
ここは三門市にあるボーダー玉狛支部。平日のためほとんどの隊員が出払っていてしん、としているはずの建物。その中の一角、支部長の部屋から少女とも少年ともとれる静かな、しかしかなりの怒りがこもった声が聞こえる。
「僕が今、ここ(玉狛支部)にいる理由を知っているよな、ボス。それを知ったうえでこの任務を持ってきたのなら、僕はボスをフルボッコにするよ。いや、この任務を僕が受けることになった時点で蜂の巣にする。アステロイドで」
どうやら任務の話をしているらしい彼…いや彼女は無表情で支部長の林道を睨み、支部長は平静を装ってタバコを吸っている。いや、冷や汗をかいているため、隠しきれていない。
「いや、あのもう引き受けちゃったんだよ」
「あぁそう。メテオラで蜂の巣か弧月で八つ裂き、どっちがいい?」
「それに…」
もう、支部長のキャラがすっかり崩壊してしまっている。でも、それくらい少女の放つ殺気がすごいのだ。
「そ、れ、に?どうしたんだボス?」
「うち含めたボーダー隊員の中で学校行っていないのお前だけだし、実力もあるからちょうどいいかな~って…わ、悪かったから!落ち着けって!ミルクレープやるから!な?」
キャラ崩壊しすぎの支部長は言ったんおいておこう。それよりも、今まで無表情で睨みまくっていた少女がピクリと反応したのだ。「ミルクレープ」という単語に。
それから彼女は買収されたようにミルクレープを食べた。それはそれは今まで無表情だったのがウソみたいに。目をこすって見ればあなたにも見えるだろう。…猫か犬の耳としっぽが生え、機嫌がよさそうな一人の少女が。そう、彼女は結構単純なのだ。
すっかり機嫌を直した彼女だったが、それでもその任務だけは行きたくないらしい。一応、もう受けたことだからということで「男子用の制服」でいくことを条件に了承した。
支部長はその後、訓練室で彼女に十回蜂の巣にされ十五回サイコロステーキのようにされた。彼女曰く「自業自得だ」とか。
自室で「明後日から任務…」とつぶやいてはため息をつく彼女。その壁の外には真っ赤な夕焼けと少しの雲が浮かんでいたそうな。