第3章 苦しみと決意と
『お、治………聞いてたなら早いね。
私たち、別れよう。』
そう云った奏音の声は涙で湿っていた。
「君がそう云うなら仕方が無いね。
唯…公私混同は禁物だから。」
太宰はそう冷たい声で告げて、首領室から出て行った。
『…これで、良かった、んだよ………』
そう云って奏音はその場にへたり込んだ。
「……奏音。辛かったら何時でも此方へ戻って来なさい。例え任務中でも。良いね?」
鷗外の優しい声が奏音の傷付いた心を温める。
『ありがとう、。』
奏音は覚束無い足取りで自分の執務室に帰って行った。