第12章 第十二話 うさぎさんのお父さん
「うさぎさん、手紙ですよ」
伝書鳩のぽっぽさんが窓から手紙を持って入って来ました。
「手紙?誰からかしら?」
手紙を受け取ったうさぎさんは、小首を傾げながら差出人の名前を見てびっくりしました。
「えっ!?お母さん!?」
手紙はうさぎさんの故郷、月の山に住んでいるお母さんからでした。
『元気にしてますか?
こちらは変わりなく日々を暮らしています。
さて、突然な事ですが、お父さんがそちらの様子を見に行くと言い出して、困ってます。
お父さんって言い出したから聞かない人でしょ、来月にはそちらに行くと思います。
うさぎが心配なのでしょう。
私は行けませんが、お父さんをよろしくね。
身体を大事に…母より』
「大変!お父さんが来ちゃう!」
手紙を読んだうさぎさんは大慌てで、梟の源さんちに向かいました。
「こんにちは!源さんいますか?」
「あら、うさぎさんじゃないの…
どうしたの?そんなに慌てて…」
出て来たのは狐の銀さんでした。
「あっ銀さん!ちょうど良かったわ、銀さんにも話しを聞いてほしかったの!」
「まぁ、とにかく入りなさい」
銀さんはうさぎさんを招き入れました。
「何があったんじゃ?」
中に入ると源さんが聞きました。
「田舎から手紙が来たんですよ…」
うさぎさんは手紙の内容を話し始めました。