Happy Birth Tea(進撃の巨人)《リヴァイBD》
第2章 常連客
そしてフユの店、グロリアを通いだして数ヶ月が経ち今に至る。
相変わらず小さな店ではあったが、それなりに繁盛していた。
『調査兵団の皆さんがこちらに通ってくれているおかげで、この間は新聞記者の方がいらしたんですよ!』
『すごいじゃないか!私たちは美味しい紅茶とフユに会いに来てるだけなんだよ』
『ハンジさん…。もっと有名になって小さくてもいいから、いつかちゃんとしたお店を持ちたいです!』
『いい目標だな。フユ、頑張りなさい』
『団長さん…私頑張ります!』
――――あぁ…なんか腹が立ってくるな。つまらない会議に出て、豚共の話に適当に相槌打ってさっさと終わらせ、早くフユに会いに来たのにフユはコイツらと楽しそうにしてやがる。
『…リヴァイどうした?』
『あぁ?…何でもねぇ』
隣りにいたミケが何か言いたげであったがリヴァイはあえて放置しフユの方へ歩いて行った。
『ふっ…リヴァイは嫉妬心丸出しの匂いだな』
『おいフユ、随分楽しそうじゃねぇか』
自分でも思ってたより低い声が出てしまう。
『あ…すみません…お仕事の帰りでしたよね…皆さん引き留めてごめんなさい』
『そうじゃ…
『リヴァイ!そんな怖い言い方はよくないよ。フユいいんだ、気にすることないからね』
リヴァイが訂正しようとするがハンジによって声が遮られる。
『…それでフユ、新作の相談ってのは何かな?』
『何だ?フユ、新作の相談をエルヴィンやハンジにしてたのか?』
『はい!この間市場で変わったお菓子の材料が売ってまして…それがこの澱粉の粉でして…。試しにお水で練ってみたらすっごい弾力が出るんですよ!』
袋に入った白い粉を見せながらフユはリヴァイに嬉しそうに見せる。
さっき怖がらせてしまったことに罪悪感が募った。
『それだけ食べてみると味がしなかったので、小さく丸めて茹でたものを、煮詰めた砂糖に暫く漬けてみました。それでドリンクに入れてみようと色んな紅茶を試してみると、このミルクティーがぴったりだったんです!』
パステルブラウン色のアイスミルクティーの底にダークブラウンの丸い粒が沈んでいる。
リヴァイさん、どうぞと渡されリヴァイは固まる。