Happy Birth Tea(進撃の巨人)《リヴァイBD》
第7章 after
『おい…一滴も残すんじゃねぇ…。そして、しっかり味わえよ。じゃねぇと…』
『リヴァイさん!…あ、ありがとうございましたー!』
リヴァイの誕生日が過ぎ数ヶ月が経った。
あの賑やかな誕生日会の後、1ヶ月後にはグロリアが新オープンし連日若い兵士たちがグロリアを訪れていた。
兵団運営に貢献したいからとフユは月数回、店を一般公開していた。
そして今日もその一般公開の日である。
『リヴァイさん、お店のお手伝いはすごく助かるんですけど…あんな睨んだ言い方じゃ怖がられますよ!』
『あ?あいつは構わねぇ…。どう見てもお前目当てだ。毎回来て、フユの手を握るようにタピオカミルクティーを受け取りやがる!そろそろ一言言ってやろうと思ってたところだ』
フユが以前考えたタピオカミルクティーは兵団内や一般市民にも大反響であった。
兵団内だけなら、フユはリヴァイのものと認知されていて一般兵は恐怖からフユに近寄る心配はない。
しかし、一般公開となると大勢の客が来る。
リヴァイも毎回手伝えるわけではない為、店にいる時はこういう虫の駆逐に精を出す。
『心配性過ぎますよ?私はリヴァイさんや団長さん達の力になりたいんです。こんな事でしかお礼は返せませんから…』
『役に立ちたいっていう気持ちは分かる。だが、てめぇは何かと分かっちゃいねぇ…。チッ…俺は自分の仕事に戻る…』
椅子にかけていたジャケットを羽織ると、カウンターを出る。
『え…リヴァイさん…?』
『話がある…夜、俺の部屋に来い』
『え…?えっと…あ!いらっしゃいませ!!』
直ぐにまたお客が来て対応していると、リヴァイは早足で食堂から去って行った。
―――私の事、名前でもお前でもなく『てめぇ』って呼ぶ時は怒ってる時なんだよね。…私のこと心配してくれてただけなんだし…謝ろう…。
フユはその日少し閉店の時間を早めて、リヴァイの部屋へ行くことにした。