Happy Birth Tea(進撃の巨人)《リヴァイBD》
第6章 present for you
師走というのは特に忙しい。
リヴァイは自分が少し席を外しただけで、こんなに書類が増えるのか?と目線以上の高さの書類を目を通していく。
チラリとリヴァイはモブリットを見る。
モブリットがハンジの代筆としてサインをしていく。
ハンジはフユのことでやる事があるからと、モブリットに席を譲りそそくさと部屋から出ていった。
本当ならフユのことはリヴァイが動きたかったが、兵士長の代わりになる者がいないので身動きが取れない。
フユには自分が何とかするといったものの、どうしようもないこの現状に苛立つ。
エルヴィンも自分の誕生日を忘れるなと言われたが、それが関係しているのかもと思考を巡らせた。
それから怒涛の書類捌きが終盤を迎え、少し落ち着きだした頃には25日になっていた。
『兵舎が…眩しいな…』
煌びやから装飾や、赤や緑のキャンドルが飾られている。
リヴァイの誕生日でもある今日は、仕事は禁止、食堂での食事は禁止、軽い訓練だけは許可されていた。
食堂に関してはだいたい検討がつく。
『……こんなに時間を持て余すのは毎年この日だけだな。…フユへの遣いもそろそろ戻って来る頃だろう。入り口まで迎えに行くか……』
あの件はハンジに色々任せたままになっており、リヴァイが介入しようとすると追い返さる…というのを繰り返していた。
『ハンジのことだから、何か考えているんだろうが…グロリアはなくさせねぇ…』
足を早めて入り口に向かった。
『やはり、フユを迎えに行こうとしていたな』
『おいおい団長様はこんな所で何してんだ?』
『……外に出ても遣いは来ないぞ』
『あぁ?……意味が分かんねえ。…説明しろ』
『いいから付いて来なさい』
エルヴィンはすれ違いざまにポンと肩を叩き、リヴァイに戻るように促した。