Happy Birth Tea(進撃の巨人)《リヴァイBD》
第4章 雪が降る
『リヴァイ!次の会議の書類の最終確認してくれっ』
『了解だ、エルヴィン』
『リヴァイ、この班の構成のバランスの意見を聞きたい』
『わかった、ミケ』
『リ~ヴァ~イ~、巨人捕まえるの手伝って~!』
『了解……しねぇ。こいつらに便乗して言うな』
え~!!とハンジは目の前の資料をばら撒きながら机に項垂れる。近くにいたモブリットは甲斐甲斐しく落ちた資料を集めていた。
年末になると兵士たちにも長期休暇が与えられる。
家族の元、恋人の元、又は1人で過ごす者。その為12月は休みに入るまでの間、何処の兵団も走り回る。
――――くそ忙しいな…。こんなんで25日フユに会えるのか?
自分の目線の高さまである書類にうんざりする。
サインをしていくだけで、指にたこが出来そうだ。
そして、ふと何気なくカレンダーが目につきフユの言葉を思い出す。
『クリスマスが誕生日ってロマンチックですね!』
――――そういや、エルドが恋人に贈り物を買ったとか話していたな。そうか…、俺の誕生日以前にクリスマスは恋人に何か贈るのか…。まだフユから返事は聞いてねぇが、結果はどうあれ何か贈ってやりてぇな。…買いに行くか。
『悪いが、少し席を外す』
椅子を引き、兵団のコートを着る。
『……リヴァイ』
『あ?…なんだ?』
さすがにこの忙しさで外出するのはまずいかとリヴァイは思う。
『彼女は何でも喜ぶだろう。只、君がいないと作業が回らないことも頭に置いておくように』
エルヴィンはこちらを見ることなく手を動かしている。
『……理解している。てめぇは誤魔化せねぇな』
バタンとドアが閉まり、リヴァイが部屋からいなくなるとエルヴィンはやれやれと苦笑いをした。