Happy Birth Tea(進撃の巨人)《リヴァイBD》
第4章 雪が降る
『リヴァイさん…皆さんもこの時期は年越し前で忙しくしてるのかなー。あれから…会ってないもんね』
寒さが増して息を吐くと白くなる。
今にも初雪が降りそうなぐらい空はどんよりしていて、それでいて空気が澄んでいた。
『お店…暇だなぁ…』
寒くなると人は段々と家から出るのが億劫になる。ほんの数日前までは商店街は賑わっていたが、寒さが本格的になってくると冬ごもりになり、人の数も減る。
外である移動販売カフェのグロリアは特にお客が減る。
『こんな暇だとリヴァイさんのこと考えちゃうよ…』
自店の紅茶を両手に持ち、休憩しようと近くのベンチに腰掛けた。
数日前のあの日………
『ぷはっ!!リヴァイさん!…ど、ど、どうしちゃったんですか?!』
『ぷはって何なんだ…。そして、落ち着けフユ』
腕は掴まれたままフユはへたり込む。
もう少しからかいたくなるが、嫌われたら元も子もないのでグッと堪えフユと同じ目線にリヴァイはしゃがむ。
『今のキスですか!?何でですか?!』
声がでけぇと呟くとフユは周りを見渡し真っ赤になって口を押さえる。
『これでもサプライズするのは嫌いじゃないって言っただろ?』
『だからって…こんなこと…誰にでも出来るんですか?』
『いや、待て待て。俺はそんな軽いやつじゃねぇぞ』
今はな…と文末は心の内に留める。
『だったら…何で…』
『フユが好きだからに決まってるだろ…察しろよ、馬鹿が…』
人類最強を慕っている人間が今リヴァイを見ると驚愕しそうである。
照れが混じってしまい、リヴァイはフユの腕を離すと後ろを向いた。
『時間はある、返事は今すぐじゃなくていい。俺の誕生日の時にでも聞かせくれ』
『あ…へっ?』
思わずフユは声が裏返ってしまった。
『落ち着けって…。紅茶のセットくれるんだろ?』
『……は、はい!!』
『リヴァイさんの誕生日…まだかなぁ…。……あ、温い』
ずっと握ったままだった紅茶を1口飲むと、紅茶はいつの間にか冷めていた。