第3章 身近
次の日の朝。
起きても何も話さないで、ぱくぱくと朝ご飯を食べる。
『はあ…』
「そんなにため息ついてどうしたの?」
塩焼き鮭を一口含みながらきいた。
『べつに…何でもないよ』
自分のせいだとわかっていないで、聞いてくるところが何処か許せない。
どうしてわかってくれないんだろう。
──したい、なあ……
恥ずかしいけど、そんな気持ちになってしまう。
私、どうしちゃったんだろう。
お兄ちゃんといるとそういうことを思ってしまう。
『ごちそうさま』
何を考えているのか気づいて欲しくなかったから、逃げるようにお茶碗を台所に持っていく。