第12章 寒〜い日にはアツアツを?❥豊臣秀吉
「秀吉さんって料理できるの?」
純粋な疑問だった。
「俺だって、鍋のひとつやふたつくらい作れるぞ?」
そう言って意気込む秀吉さんをなんだか微笑ましい気持ちで私は見つめた。
そうして私達は鍋を作りに厨房に行ったものの。
「秀吉さん、包丁!!」
「秀吉さん、泡吹いてるよ!」
「秀吉さん、具材落としたら駄目だよ〜!!」
秀吉さんは、料理が苦手みたいだ。
それでも秀吉さんは必死に鍋を作っていた。
そんな秀吉さんに愛おしさが募ったが、本人は真剣にやっているので、そっとしておいた。
そうして出来上がった鍋を私達は部屋に持っていき二人で手を合わせた。
「さあ、食べよう!」
「おう!一生懸命作ったんだぞ!」
そう言って食べた鍋の中身は。
不揃いな形のしいたけ。
ばらばらの春菊。
薄いだしのスープ。
どれも良いと言えるものでは無かったが。