第10章 甘い毒は誰のために❥徳川家康
「いえやすっ...!!!!!!」
私は、叫んでいた。
まるでスローモーションのように家康が倒れていく
家康が、私を庇って、矢を、受けた。
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「いえやす...!」
私は家康に駆け寄る。
家康が弱々しい声で私の名前を呼んだ。
「っ、華...」
「いえやす、私はここだよっ、いえやすっ...!」
涙で視界が歪む。
私が家康に必死に語りかけていたとき
「おいっ!!どうしたんだ!!」
「政宗...」
政宗がこちらに駆けてくる
なぜ政宗がここにいるのかはわからない。
でも今頼れるのは政宗だけだ。
涙でぐしゃぐしゃの目で政宗を見つめる
「一体どうしたんだよ!」
政宗が叫んだ
私が答える
「いえやすとっ、歩いてたらっ、矢が飛んできてっ...!私を庇っていえやすが...!」
たどたどしくなりながらも私は必死に状況を説明した
「とりあえず、こいつを城に運ぶぞ!お前はついてこい!」
「うんっ...!」