第42章 甘い想いのジレンマ❥明智光秀
華の可愛さに付き合わされてるこっちの身にもなって欲しい。
これまでの可愛い言動が全て計算していなかったのであれば、どれだけ罪深い女なのか。
(....だが、それも今日で終わりにしなければな。)
絶対に、華を手に入れたい。
こんな感情、これまで生きてきた中で出会ったことがない。
家康にさえあんなみっともない態度を取ってしまう自分を、俺は知らない。
でも、それも全部全部...
「お前の、せいだぞ。」
「....え?」
小さく呟いた言葉。
それは華に聞こえなかったようだ。
だが、もういい。
お前に伝えなければならない言葉が。
自分の中にあるから。
俺は華を促すようにして自分も部屋に入った。
華も何かを察したのかそっと襖を閉めて俺に近寄る。
(....それが無防備だと、何回言ったら分かるのか。)
ここでお前を襲っても、何も言えないんだぞ。
そんな言葉をぐっと押し込んで華を見つめる。
すると華もその真っ直ぐな真珠のような瞳を真っ直ぐと合わせてきた。
(っ、)
それだけで理性を飛ばしそうになるのを抑える。
そして偽物の余裕を羽織って華に話しかけた。
「お前、今ここで俺に何をされるか分かるか?」
「...?看病じゃないんですか?」
(....素直なのか、何か分からないな。)
ここまで来ても看病と信じ続ける華にもはや呆れを感じる。
「華、よく聞け。お前は今男の部屋にいるんだぞ。それも、俺とお前の二人きりだ。何をされるか、子供じゃないのなら分かるだろう?」
「っ、」
俺がそう言い切ると華はぱっと頬を染めて少し俯いた。
その反応が可愛くてもっとみたいと思う欲が出るがそれは今は阻止する。
そして俺は華をぐっと覗き込んで低い声で呟いた。
「...どうなんだ?」
黙り込む華。
その様子に冗談だ。と言おうとしたその時。