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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第34章 SAY YOU LOVE ME 『前編』❥伊達政宗





(やっぱり人気あるな....)


さくらちゃんに連れられて。

私は結局いつもの場所に居た。

さくらちゃんは隣で必死に背伸びをしている。


なぜなら私達が来たときにはもうギャラリーが集まっていて私達は一番後ろになったからだ。


(前だったら速攻で一番だったなぁ...)


昨日のことなのにまるで昔のことのように思い出す。


(私、政宗のこと大好きだったんだよ....)


政宗のことだけを追いかけて、政宗のことだけを見つめてきたのに。


あなたが瞳に写すのは、あなたが好きになったのは、

私じゃない。





「私のほうが、先だったのになぁ...」



思わず呟く。



私の方が先にあなたのことを好きになったのに。

あなたが好きになったのはどうして私じゃないの?

こんなに一途にあなたを想っているのに、



どうして、




どうして、恋愛って上手く行かないんだろう。


(バカだな。私。)


こんなことを思っている時点で未練があるということは丸わかりだ。


(なんか....惨めだなぁ)



そう思っていると...


「あ!政宗来たよ!!」


不意にさくらちゃんが叫んだ。

それに条件反射で顔を上げる。


すると、いつものようにこちらに近寄ってくる政宗。

それに姿を見たいと無意識に背を伸ばして政宗の姿を見る。


その姿を確認して否応なしに思う。


(っ、やっぱり、かっこいいよ...)


すると政宗がまた誰かを探すように目を泳がせた。

(...!)

その様子に気持ちが沈んで背伸びしていた足をおろす。


(政宗が探しているのは、さくらちゃんだもんね。)


私じゃない、私じゃないんだ。



分かってる。分かってるんだよ。




そう思っているとぱっと政宗が叫んだ。






「...さくら!!」





さくらちゃんが嬉しそうに前に出る。
政宗も嬉しそうに微笑む。

みんなの歓声が上がる。



そんな中で、一人、取り残されている気がした。




そうだよ。

あなたが探しているのも、隣にいるのも、私じゃない。

分かってたよ。

だって昨日あんなに泣いたでしょ?

....なのに、なんで




(...こんなに、苦しいの?)








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