第32章 星空は愛の囁き❥徳川家康
俺の告白には返事をせずに話す華に少し拍子抜けしながらも答える。
すると、俺が世界で一番待ち望んでいた答えが、華の口から紡がれた。
「私も、家康のことが、好きってこと...!!」
(っ....)
そう言いながら笑う華は、星にも負けないくらい輝いていて。
(あぁ、すごく、綺麗だ。)
先程も思ったことを反芻する。
「だからね、家康が言ってくれたとき、すごく、すごく嬉しかった。私と同じ気持ちだなんて、知らなかったから。」
真っ直ぐ俺を見て言う華。
星からの光を浴びてきらきらと輝く華。
瞳も星で満ちている。
そんな綺麗な華を閉じ込めるようにそっと俺は華を抱きしめた。
「っ、いえやす...」
もちろん華に拒む様子は無くて。
それに嬉しさと、少しの未来を感じた。
(この子はきっと、これからも俺を星みたいに見守ってくれる。明るくて、綺麗で、なのに、時々すごく強い。)
そんな華に惹かれたのだ。
そして俺は華の耳元でそっと愛を囁いた。
「大好きだよ。誰よりも、何よりも。」
「っいえやっ....」
きっと真っ赤になっているであろう華の顔。
それを想像するのも楽しかった。
その隙にそっと空を見上げると。
星たちが俺達を歓迎するように明るく光り輝いていた。
まるで、俺達の幸せと、未来を祈ってくれているような気がして。
俺はもっと、手の中の幸福を抱きしめた。
「大好きだよ、華。」
終。