第31章 星空は愛の囁き❥共通
当日。
予定の時間より少し遅く、華の部屋に集まって勝負を始める。
最初は華もやると言い出して二人で一斉に止めた。
何故ならこの勝負は、華をかけたものだから。
きっと華は気づいていない。
だけどまぁ、そのほうが丁度いい。
そして、華の合図とともに、二人でばばぬきを始める。
だけど、二人だから当然誰がばばを持っているか分かる。
(...思ったより上手いな。)
自分が思っていたより相手が上手い。
相手もかなり準備してきたのだろう。
だけどこちらもなかなかに準備をした。
負けたくない。
そうしている間にもどんどんカードが抜かれ...
日も落ちてきた。
そして、とうとう。
相手が二枚。
自分が一枚になった。
自分がはーとの10。
相手はきっとはーとの10とばばだ。
これは、絶対に逃してはいけない。
これで決めなければ。
そう思うも、手が迷いに迷う。
もしここで決められなかったら...
相手に逆転されてしまったら....
そう思っている間にも時間はどんどん過ぎる。
その時。
「..._____?」
華がふいに名前を呼んだ。
そっと顔を上げるとにこっと笑いながらこちらを見ている。
その笑顔に何故か体の緊張が解けてしまい、それに押されるように、そっと、右のカードを直感で引いた。
そこに、書かれていたのは....
はーとの10。
それに、体が固まる。
そして数秒後にようやく感情が沸く。
(っ、勝った....?)
自分の手元にははーとの10のカードが2枚。
そして相手には、ばばが、1枚。
そっと相手を見ると、降参、というようにそっとカードを置いて、
ふっと、一つ笑った。
それに、気を押されるようにそっと華を見ると。
華がはにかみながら、自分を見た。
そして、
「おめでとう、...______!」
と、にっこり笑いながら名前を呼んだ。