第27章 消えない想いは永遠に。❥明智光秀
「俺は今...お前を手放さなくて良かったと、心の底から思っている。」
「...っ」
いきなりだけど心のこもった声に心が揺り動かされる。
そしてより一層抱きしめる腕が強くなった。
「お前はどこに行っても、何をしていても、いつだって俺のつがいだ。...そうだろう、華。」
「っ...は、い」
もう視界がぼやけて見えなくなる。
それでも、私は今伝えたい言葉を必死に伝えた。
「わ、たしはこれからも...ううん、永遠に。光秀さんのつがいでいたいです...っ」
「...!」
私の一種の告白のようなものに光秀さんが少し驚いたのが身体から伝わってくる。
そして光秀さんがそっと私の体を離した。
「...あぁ。当たり前だ。来世でも、来来世でも、一緒になる。」
そう言ってそっと優しく微笑んだ。
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一年後。
私は光秀さんが政務で出ていった一人の自室で光秀さんとのこれまでのことを回想していた。
(...光秀さんの眼って、ほんとに私を真っ直ぐ射抜くよね...)
これまでもそうだった。いつでも貴方は私の心を射抜いてきた。
...それがすごく辛い射抜き方もあったけど。
でも今。私はすごく幸せだ。
こうして光秀さんの側にいることが出来る。
それが、どんなに幸せな事か。
私は身を持って経験した。
でもこうして光秀さんと紡いできたものも、奇跡であって、軌跡でもある。
そしてそれを、今度は別の人に伝えていけたらな、と強く思うようになった。
大切な人の側に居れる。
それが、どれだけ大きな意味を持って、たくさんの幸せを生むか。
きっとそれは感じた人にしか伝えられない。
(私も伝えていかなきゃ、ね。)
そう思った途端。
ぽこん。
誰かに内側から蹴られる感じがした。
(...!...ふふ、返事してくれたのかな。)
そう思いながら私はかなり張った自分のお腹に手を当てる。
「...来世でも、あなたに会えますように。」
きっと返事をしてくれたのだろう我が子に。
そっと、呟いた。
終。