第23章 純白花嫁は貴方の為に❥豊臣秀吉
「華!!」
「はい!」
「華ちゃん!」
「はい!」
安土城のある針子部屋ではそんな声が響いていた。
その中心にいるのが、華。
華はたくさんの針子仲間と
たくさんの個性豊かな武将達に囲まれて、幸せのはず、なのに、華には悩みがあった。
それは...
「おい、華〜!廊下を走るな!」
いつも大きい声で注意して来るあの人。
(っ、秀吉さん...)
華はもうその声を聞くだけで心臓がどきどきと高鳴ってしまう。
だが。この二人には大きな障害があった。
「秀吉さん!廊下走ってもこけないよ?」
華がそう言うと。
「いーや。お前が怪我すると俺が心配する。」
秀吉はお決まりのようにこう言う。
そう、ここまではいいのだが...
その後に付け足されるもう一言で華の心はずんっと沈むのだった。
「華は大切な妹みたいなもんだからな。」
屈託のない笑みでそう言う秀吉に何も言うことが出来ず、分かったよ、と返事をして歩き出すのだった。
そんな事をもう何回繰り返しただろうか。
秀吉さんにとって私はもう妹で確立してしまっているのだろうか。
華はふと思う。
(....だったら、嫌だな。)
なんて、自分の考えを無理矢理押しつけて安土城を歩いていく
華を熱っぽい視線で見送るのは...
あの秀吉さん、だったり...?