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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第19章 桜記念日『前編』❥真田幸村




そして、幸村が顔を少し歪めて、









「俺はもう、おまえとは、会えない。」









私にそう告げた。


(...え?)



何が起こっているのか、理解できなかった。

状況が呑み込めない。


(もう、会えない...??)


その幸村が放った言葉だけがグルグルと頭の中を占領する。


(会えないってどういうこと?会えないって...)


「どういう、こと?」


掠れた声しか出なかった。

その質問には幸村は答えず、そっと私を抱きしめた。




「でも、俺は、お前のことを必ず迎えに行く。」


「だから...待っててくれ。その時まで。」

「え...?」


どういうこと?もう会えないんじゃなかったの?一体幸村は何がしたいの?

幸村の行動に理解ができなくて頭を捻らす。



「いつまで、会えないの...?」

咄嗟にそんな声が出る。


いつまで会えないのか。それは私にとってはかなり重要だった。



「...分からない。だが、必ず、必ず、迎えに行く。だから、待っててくれ。頼む...!」

必死で、幸村は私に言う。

その幸村の懇願するような目に思わず、

「っ、...分かった」

と、言葉が出てしまう。



その言葉を聞くと、幸村は一瞬だけふっと笑って、私を後ろへとんっと押した。





「じゃあな。必ず、また会う。その時まで、な。」





「ゆき、むら?」



すると、後ろから佐助くんの声が聞こえる。


「ごめん、華さん。もう、時間だ。」


「っえ、どういう...」

そう言っている間にも私は佐助くんに抱きかかえられる。


「っ、やだ。やだ!ゆきむらっ...!!」


幸村はまたそこに立ち尽くしていた。



私をじっと見つめて。


まるで、目に私という存在を、焼き付けるように。












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