第16章 キライキライやっぱりスキ❥徳川家康
そして、華の提案で朝餉、昼餉、などのご飯は一緒に食べることになっていた。
それにも理由があり...
華が俺の御殿に来て早々、
「ねぇ、家康、ご飯っていっつもどうしてるの?」
(?)
俺はその質問の意図が見えずに答えを返す。
「え、別に自分の部屋で食べてるけど。」
(それがどうかしたのか?)
そう思ったとき、
「じゃあさ、私がいる間だけでも一緒に食べない?」
華がにこにこしながら言った。
(...!?)
バレないように顔に出さずに驚く。
今の状況だけでも嬉しいのに一緒にご飯を食べる...?
そんなの今の俺に耐えられるだろうか。
いや、無理だろう。
そう思った俺は、
「...それは無理。」
華の誘いを断った。
すると、
「そっ、か。ごめんね。なんか余計な事言っちゃって...」
華はいきなりそう言うと下を向いてしまった。
(え、え、なんでだ?)
俺がなにかしただろうか。
その間も華はずっと下を向いている。
それも、すごく悲しそうな顔をして。
(そんなに一緒に俺と食べたかったのか...?)
...なんて甘い考えが浮かんだが。
今はこの華の顔をなんとかしなければ。
こんなつまらない顔なんて似合わない。
そう思った俺は華に声をかけた。
「...いいよ。」
その声で華がゆっくりと顔をあげる
「ぇ...」
「一緒に、食べよう。」
俺が言い切ると。
「っ、いいの!?」
いきなり華が俺に食いかかった。
「...え、うん。」
いきなりの変わりように驚く俺をよそに華は
ありがとう!
と満面の笑みでいうとさっさと自室に戻ってしまった。