第16章 キライキライやっぱりスキ❥徳川家康
(はぁ...)
俺は自室で盛大なため息を吐いていた。
やることがたくさんあるのもそうだが、一番大きな問題がある。
それは、
華が、好きすぎること。
我ながら馬鹿な悩みごとだと思うが、結構本気で悩んでいるのだ。
華は、可愛すぎる。
今日だって、俺の方にぱたぱたと駆けてきたかと思うと、いきなり、
「家康!これ作ったから食べてみて!!」
と満面の笑みで俺に甘味を差し出した。
その時点でもう可愛い。どうなってるんだこの子は。と俺の頭の中が既にそれでパンパンになった。
でも俺はその頭を自分で揺り起こす
そして俺はそれを一つ手に取った。
(...これは、饅頭か?)
饅頭はあまり好きではなかったが、
華がきらきらした目で見つめるから、つい受け取ってしまった。
それが、今横にある。
何度も食べようとするがなんだか惜しくて食べられない。
華がくれたものだから...
そう思ってしまうのだ。
そんなことを繰り返している自分が嫌になって
俺はまた盛大に息を吐いた。