第15章 戯れなんて、言わないで。❥織田信長
「私、信長様がこれを買っているところ、見ました!」
と、いきなりぱっと花が咲いたように微笑む。
そして、
「これでまた着物作ってみますね!」と、
疑いが晴れてすっきりした顔で笑った。
そんな華に少しだけ心臓が高鳴ったのが分かった信長はそれを隠すように、そうか、と呟くと華を抱きしめた。
「わわっ...!」
華が可愛い声で驚く。
そんな姿さえも愛おしくなった信長はそっと華に囁いた。
「...俺が貴様しか愛していないことがわかったか?」
その言葉を聞いた華は少しだけ頬を染めながら、はい、と頷いた。
そんな華まで愛おしく思えてしまう俺は重症だな。
そんなことを信長は考えながら華の甘い匂いのする少し赤く染まった首筋に顔を埋めた。
終。