【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第12章 絶頂エモーション・6
それから、2ヶ月が経った。
B-project全員が出演するアクション映画の練習があの後すぐに始まったが、今週クランクアップし、今夜はB-projectのみんなと監督やスタッフの皆さんとのお疲れ会がある。
「あんま飲みすぎんなよ。」
「うん。剛士もね。」
僕はこれからテレビ番組の打ち合わせがある。
玄関で行ってきますのキスをしたあと、ドアを開けた。
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ホテルのビュッフェを貸し切って行われた祝賀会は、みんなでわいわいと楽しく過ごした。もちろん、スタッフさんとも色々お話をした。
ほろ酔いで、マンションへ帰ると、エレベーターホールで悠太と健十が僕を待ち構えていた。
「おー。2人ともお疲れさま。」
「漣ちゃん、やっと来た。」
「んじゃ、行きますか。」
「へ?どこに?」
戸惑う僕ににっこり笑いかけながら、ふたりは僕の手を引っ張って、エレベーターに乗ったあと、THRIVEの部屋へと連行した。
そして、ドアを開けると、すごい風景が広がっていた。
たくさんの紅い花で飾られた部屋。
真ん中に何故か真っ白のタキシードを着た剛士が立っていた。
「これって…これって……」
僕は周りでニヤニヤする、暉や明謙、竜持を見つけて、後ろの方で優しく笑う、倫毘沙やミカ、和南を見つけて、もう涙でいっぱいになった。
両手で顔を覆い、肩を震わせ泣いてしまった。
でも、隣の悠太が、こんな夜中なのに、大きな声で、お構い無しに始めた。
「新婦の入場でーすっ!」
そして僕と腕を組み、紅い花で作られたバージンロードを歩いた。そして、剛士の前にずいっと出されて、僕達はおずおずと腕を組んだ。
「漣ちゃん。幸せにね。」
悠太は言いながら泣いてる。
僕達の前には、神父に仮装した健十。
「アーメン。透 漣。あなたは今、金城剛士を夫とし 神の導きによって夫婦になろうとしています。汝 健やかなるときも 病めるときも 喜びのときも 悲しみのときも 富めるときも 貧しいときもこれを愛し 敬い 慰め遣え 共に助け合い その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?」
僕達は顔を見合わせて、笑った。
「「誓います。」」
健十は続けた。
「では、ここに誓のキスを。」
剛士は、僕の涙を指で掬い、そのまま頬に手をあてて、キスをした。