【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第7章 絶頂エモーション.1
ある撮影の日、みんなでプロモーションビデオを撮ったあと、ロケバスで別スタジオへ移動することになった。なんでも、ほかの撮影の見学だそうだ。なんの用事なんだろう。
スタジオに入ると、そこにはバンビの4人が居た。僕達はデビューしてから全然会ってないので、久しぶりに会えて嬉しい気持ちになったし、ダンスやパフォーマンスの完成度が高くなってて感心した。
他のみんなも真剣に見ている。するといつの間にか、社長ふたりがやってきた。社長たちが来るなんて珍しくて、ぽかんとしていたら、修二さんに頭をわしゃっとされた。
「よぉ。久しぶりだな。やってるか。」
「ぼちぼちです。」
「無理して体壊さねえように。これからもTHRIVE、よろしくな。」
「はい、修二さん。」
僕が落ち込んでるのを見越して声をかけてくれたように思えた。さすが社長はよく人を見ている。
「お前ら、いまのパフォーマンス、どうだった。」
社長がみんなに問いかけた。
「ダンスと曲が合ってました。」
和南が優等生らしい回答をした。
「フレッシュさがあっていいんじゃない?」
竜持は視聴者側に立って意見した。
「合格だな。」
社長達は笑い合っている。
「合格って、何が?」
僕は首を傾げた。修二さんが目を丸くする。
「澄空、まだこいつらに伝えてねえのか。」
「あっ!すみません。KILLERKINGが、B-projectに加入します!これからは、14人でB-projectになります。」
澄空さんが、大きな声でみんなに伝わるように話した。
僕達は驚きの大合唱だった。
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あの後、みんなそれぞれ仕事があるからすぐ解散になった。MooNsはラジオ、キタコレは取材、僕達は特に何も無かったけど健十が打ち合わせ、剛士はボイトレ。元々、社長から僕達まで全員を1箇所に集めるなんて相当大変なことをしていたのだから、当然っちゃ当然だ。
「はー、お風呂だるい。」
「どーしたの?漣ちゃん。一緒に入る?」
悠太がニコニコして聞いてきた。僕は悠太の言葉を一蹴した。
「いや、いい。」
「そんなぁ〜」
悠太はわざとらしく僕に泣きつくフリしてぎゅっと抱きついた。