第11章 夜と罪
宵闇の中、流れで乗る事になってしまった船に揺られながら銀時は思った。
「……二年って、あっという間だよな。」
そう。
あの地球滅亡の危機の戦から早二年。
銀時が離れた江戸は復興され、元の姿を取り戻しつつあった。
元の姿どころか、新しい改革が起こり、着実に新しい未来へと歩み始めていた。
だが、未だ戻れていない彼が、その姿を見るのは少しだけ先の話。
今、こう思っただろう。
とうとう書くのが面倒臭くなって間すっ飛ばしたか、と。
いやはや難しい問題である。
どうやって前章から繋げて進めていこうか。一つ安心していただきたいのは、これは作者の心の声ではない。銀さんの声である。
「………限界だ。あそこから今に繋げるのはこれが限界だ。」
船の縁に項垂れる。いくら暗い海を見つめても底は見通せない。つまりそう言う事だ。どれだけ考えてもうまく繋がらなかったのだ。
それでなくとも高杉に良い関係を持っていかれているというのに、自分は彼女の夢にすら出られない。なんなら前の章は登場すらしていない。
そんな中、さらにうまく話を繋げて登場してこいだ?
ふざけるのも大概にしていただきたい。
無理に決まっているのだ。
「だから、このままあいつは俺に任せときゃ良いんだよ。」
「そんな訳にいきませんんん。これは銀さん落ちの話なんですぅ。主人公相手役は銀さんしか務まらないんですぅ。」
いつの間にか背後にいた高杉にかけられた言葉へ、すぐさまツッコミを返す。もうそのくらいしか出来ることはなかった。
今、なぜ高杉と同じ船に乗っているのかと思ったそこのあなた。あなたは何一つ間違っていません。間違っていませんので、原作を読まれていらっしゃらず、今どのあたりの話をなぞっているかわからない方は今すぐの離脱をお勧めします。作者はもう完全に諦めています。説明と物語を紡ぐ事を放棄しております。どうにもこうにも、にっちもさっちもいかなかったのです。これは仕方のない事なのです。この放棄罪は全て作者が背負うものであり、銀さんには関係のない事なのです。