妖精の夢~Another Story~【気象系BL】
第6章 Lovely bouquet
やっと唇を解放された智は
抵抗も忘れて浅い呼吸を
繰り返していた。
「雅紀、がっつき過ぎ」
「悪ぃ」
二人は顔を見合わせて笑うと、
力の入らない智の躰を
再びベッドに戻した。
「さとちゃん
これ、なんの香りか分かるか?」
雅紀の質問に、
智は黙って首を横に振る。
「これは"イランイラン"の香り
って言うんだよ。
これにはね
催淫作用っていうのがあるんだ…」
「さい…いん…?」
潤の黒い笑顔に、
智の背筋は凍り付き、
これから起こるであろう出来事を
すべて理解した。
「ぃ、やだ……。
今日は…無、理……!!」
そのまま躰を捩って手足を動かし、
抵抗を見せる。
「智…大丈夫だよ
お前は俺達に躰を
任せてればいいからさ」
「そうそう。さとちゃん
そんなに痛くしないからねー」
二人の嬉々とした
言葉から逃れようとするも、
酔った躰と
嗅覚を犯かされたことで
それは叶わなくて。
香りのせいか、
先ほどの口付けのせいか。
自分の意思とは裏腹に、
躰は熱を欲していった。