妖精の夢~Another Story~【気象系BL】
第5章 Green fairy is natural
事の起こりは数時間前だった。
雅紀が智を連れてきたのは
若手の芸術家 大野智の個展『FREESTYLE』だった。
智「まー君この人も智って言うの?」
雅「うん!そうなんだよ!
さとちゃんと同じ名前なんだよね・・
顔もさとちゃんに似てるかも‥」
智「そーかなぁ?似てるかなぁ? 」
智は目を輝かせながら、作品をゆっくり観て回った。
そして・・
雅「さとちゃん本物の大野智に逢いたくない?」
智「えっ?逢えるの?こんな細かな絵を書く人に、僕逢いたいよ」
雅「じゃ逢いに行こうか?俺知り合いだから・・・
逢えちゃうんだなぁ~」
こうして、二人はバックヤードへ向かって行った。
雅紀「おかしいなぁ?確かこっちが近道なのに・・・」
智「まー君もしかして・・迷った?」
二人は道に迷い美術倉庫に来てしまった。
雅「おかしいなぁ?・・
あっさとちゃん?
これ何か解る?」
それは、今は使われることのない、画架(イーゼル)だった。
智「まー君危ないよ!
それに、勝手に触っちゃダメだよ・・」
智は雅紀に注意をしたのに・・
当の本人は、普段来ることのない場所に
興奮したのか、目に写るものに手を出したのだった。