妖精の夢~Another Story~【気象系BL】
第1章 Red fairy doting
ここは妖精界の四人が住む家
翔「…遅い」
翔はイライラした様子で、
壁に掛けてある時計を何度も見上げていた。
時計の針は12時をとっくに過ぎていた。
外は真っ暗で
おまけに外は霧雨が降っていた。
霧雨の雨は、音が無く辺りはシンと静まり返っている。
翔にとって、ここは音のない世界は苦痛でしかなかった。
だから余計に、智の事が気掛かりでならなかった。
翔「何してんだ、あいつは……」
もう一度時計を見上げ、何度目か分からない溜め息をつく。
その溜め息と同時に、玄関の鍵を開ける音が聞こえてきた。