第30章 日常15:こんなの初めて♡
「身体…、綺麗にしないとね…」
ぐったりとして、今にも寝落ちしてしまいそうな僕の髪を、翔くんの指がサラッと撫でる。
正直言うと、お風呂なんてどうでも良く…はないけど、面倒くさい。
ってゆーか、もう動きたくない。
でも翔くんいっぱい僕の中に出しちゃったし、僕のお腹も自分の出したのでぺちょべちょになってるし…
はあ…、入らない訳にもいかないか…
でもやっぱり動きたくない。
「抱っこ…」
「え?」
「抱っこしてくれなきゃ、僕お風呂行けない…」
もう膝も腰もガクガクで、ほんの数メートルの距離だけど、とても自分の足で歩いて行ける自信が無い。
だから“抱っこ”を強請ったんだけど…
うん、そりゃそうだよね…?
翔くんだって相当腰使ってたもんね?
「ごめん…。抱っこして上げたいのは山々なんだけど、落っことしてしまいそうで…」
いくら力があったって、僕を抱っこして…なんて無理だよね…
でもだからと言ってこのままってわけにもいかないし…
仕方ない…
「肩…貸してくれる?」
「あ、ああ、うん…」
僕は翔くんの手を借りて身体を起こすと、翔くんの肩を借りて、少々ガニ股気味になりながらも、漸くバスルームへと辿り着いた。
シャワーで全身の汚れを落とし、翔くんに支えられながら湯船に浸かると、忘れていた筈の睡魔がまた襲って来た。
「ごめんね、無理させちゃったね?」
膝の上に僕を抱き、翔くんが肩越しに呟く。
「ううん…、そんなことないよ…」
だって半分は僕が望んだことだもん。
「ねぇ、気持ち良かっ…た?」
「うん、凄く…。智くんは?」
「僕…? 僕は…ふふ、内緒♡」
「は、何それ? ずっりーの…」
肩越しに翔くんを振り返り、ムウッと突き出た唇に、チュッとキスをすると、翔くんはそれじゃ足りないとばかりに僕の顎を掴んで、舌を突き挿れた。
「ん…、あふっ…、んんっ…」
ああ…、こんなキスされちゃったら、また…
「や、やん…、イクッ…、あんっ…」
「俺… も…、クッ…!」
ってことになるよね…(笑)