第20章 日常8:パーティー…とは?
「あ、それとも言って欲しかった?」
「それは駄目、絶対駄目!」
そりゃさ、誰かに言って貰えるならさ、僕的には変に緊張だってしなくて済むし、和なら口下手な僕よりも上手く言ってくれるとは思うけどさ、それじゃ今までの僕と何一つ変わらないもん。
僕、ずっとそうだったから…
自分の気持ちとかハッキリ言うのが苦手で…
苦手ってゆーか、いざその場面に遭遇すると、ちゃんと考えてた筈なのに、急に頭が真っ白になっちゃって、結局言いたいことの半分も言えなくて…
だから、いっつも誰かに僕の気持ちとか、代弁して貰ってばっか。
でもそんなんじゃ自分の本当の気持ちなんて伝わんないんだよね…
そんな自分を変える意味でも、櫻井くんにはちゃんと自分の口から…って決めてるんだ。
「くくく、じゃあ私達が口出しする必要は無いでしょ? 勿論お膳立てだけはしてあげるけどね♪」
こんなにも僕のことを考えてくれてる和を疑っちゃって…、なんか…
「ごめん…ね…?」
「別に謝んなくていいからさ、代わりにキスして?」
へ?
何…言ってんの?
「キスしてくれたら許して上げる♪」
は?
ますます意味分かんないんだけど?
まあでも和だし…、何回もキスした間だしね?
僕は、瞼を閉じ突き出した和の薄い唇に、チュッと音を立てて自分の唇を重ねると、身長差なんて殆どない和をムギューッと抱きしめた。
「くくく、痛いけど…」
「ふふ、相葉さん程じゃないけど?」
「ぷっ、確かに(笑)」
僕達はお互いに顔を見合わせて笑った。
「じゃ、そろそろ戻ろうか?」
「うん」
あんまり二人でコソコソしてると、それこそ櫻井くんに勘違いされちゃいそうだし。
「あ、でもさ、松本さんには気を付けた方が良いかもね? あの人、けっこう感鋭いからさ…、ちょっとした仕草でも、智がHIMEだって勘づかれる可能性あるからね?」
「うん…、そうだよね…」
僕もそれは思ってたよ。
気をつけなくっちゃ!