第16章 日常7:眠れない僕と寝相の悪い彼
「はあ…、 好きでもない人に触られて、こんなにも反応しちゃうなんて…。君、ちょっと素直すぎじゃない?」
僕は便座に座り、僕を見上げる息子くんに話しかけた。
だってさ、お仕事ならともかく、あまりにも節操が無さ過ぎなんだもん。
しかもさ、僕の息子くんが元気になってること、櫻井くん絶対気付いてたし…
「恥ずかし…っ…」
僕は息子くんが意気消沈するのと同時に、両手で顔を覆った。
その時、
「俺…だけど…」
ドアがノックされ、ちょっぴり躊躇いがちな櫻井くんの声が聞こえた。
僕は咄嗟に便座から立ち上がると、膝まで下ろしたパンツとジーンズを引き上げた。
「え、えと…、な、何…?」
「いや、大丈夫だったかな…って…」
心配…してくれたの?
てっきり笑われると思ってたのに?
嬉しくなった僕は、開きっぱなしだった前を閉じると、チャックを一気に引き上げた。
でも…
「いったぁ〜い…」
ちゃんと仕舞った筈の息子くんが、おパンツの隙間からちょっぴりはみ出していて、チャックに引っかかってしまい…
「お、おい、どうした?」
櫻井くんの心配そうな声がするけど、チャックに挟まれた部分がジンジンと痛くて、とても返事が出来る状態じゃない。
でも自分でどうにか出来る筈もなく…
「しゃ…しゃくらい…くん…、ぉ…ねが…ぃ…」
僕は半べそをかきながらドアを開けた。
だって恥ずかしいとか言ってる場合じゃないんだもん。
「ど…した…って、もしかして挟んだ?」
さすが櫻井くん、察しが良い!
…って、そうじゃなくて…
「うぅ〜、いひゃいよぉ…」
大事なとこがちぎれてしまいそうな痛みに、泣きたくなる。
でも泣かないよ?
だって僕、男の子だもん…
「あーあ、ちょっと待ってて?」
「…ぅん…」
櫻井くんが僕の足元にしゃがんで、見事に引っかかってしまっているチャックに手をかけた。
ってゆーか…、この体勢って…、お口でシテ貰ってるみたいじゃない?♡