第2章 相手の好きなところを言わないと出られない部屋 【冨岡義勇】
「いや?だから好きなところが多すぎて答えられないと...。」
『わああああああああああ!よく惜しげもなくそんなこと言えますね!』
「...?事実を言っているだけだか...?」
自覚ないの...?私だったら恥ずかしすぎてのたうちまわってるよ......?
『と、冨岡さん!』
「......なんだ。」
『わ、私達恋仲でもないのにそんな簡単に好きなんて言うのはいかがなものかと......』
「なぜだ。俺はお前を好いているが、もしやお前はそうではなかったのか......?」
あ~~!そういうことが言いたいんじゃなくて~~~!
『あ~~!もう!好いてますよ!なんなら冨岡さんの全部が好きですよ!』
「...成程。その手があったか。」
は?
ナニ言ってるのこの人。
私、今かなり恥ずかしいこと言ってしまった気がするんだけど......。
「俺も、彩花の全てを好いている。愛している。」
『ふえ!?』
ーーーその時。
ガチャリ
音を立てて、扉が開いた。
『あ、扉開いたみたいなんでこれにてお暇しますね!さよなら!』
「あ、おい彩花.........行ってしまったか。せっかく思いを伝えられたのだがな...」
(バッチリ聞こえてるんですよ~~!)