第3章 予定
「ありがとうね」
「いえ、大丈夫ですよ。良い旅を」
乗客さんの荷物を持って列車を降りた後、改札まで見送った
今日はエンジンシティ。さすがというべきか、人の出入りが多い。
次の列車が来るまで事務作業でもしようかな、と思い駅員室に入る
「スズさんっ」
「?どうしたのアケミさん」
「どうしたの、じゃないですよ。今度の休日!忘れてませんよね?」
「休日……?……あっ」
「もう!」
予定が入っていたことをすっかり忘れていたのは十中八九、昨日今日の出来事のせいだろうなー、なんて思いながら今朝来たメッセージを思い出す。
通知が来ているな、と思い開いてみるとあの後キバナさんから「お疲れ様。時間取れる時連絡する」と送られていたのだった。
私はあの後疲れもあったので、スマホロトムを見る余裕もなく寝てしまったから返信ができていなかったのだ。
おはようございます。
連絡遅れました。わざわざありがとうございます。
と、朝の支度の合間に返信をすると、すぐに返ってくる。
そのやり取りで心臓も朝の支度も余裕が無くなっていた
「ありがとうアケミさん。忘れてたよ」
「別に大丈夫ですよ!あと3日後ですし、一応言ってみただけですから」
ああ、キバナさんからのメッセージに浮かれている場合ではないんだった……。
私は今回、今まで中々踏み切れなかった合コンに出る。
ただ仕組みも何も全くわからなかったので同僚のアケミさんに聞いたら
「え!?スズさんそういうの興味あります!?丁度予定してるんで是非参加しませんか!?」
と、誘ってくれた。
合コンなんて行くやつは〜みたいなことを言っている人がいるが、私はとにかく彼氏が欲しい。結婚を視野に入れれる彼氏が欲しいのだ
そんなに時間に余裕もなくなってくる年頃。今のうちに探さないといけないのだ。有名人に対する憧れとか、好きとかで満たすだけでは、人生甘くない
「アケミさん、スズさん。ちょっと来てくれない?」
「はーい」
再度仕事に戻り、どんな服装にしようかなーなんて考える
ピロリ、とスマホロトムに通知が来ているのも気づかず……