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Diva!【イナズマイレブンGO】

第43章 Sightseeing!〈遠坂 雪音〉


『そりゃあ私だってプロ並みには無理だよ。でも楽しみしてる』
「食堂に行くぞ。どうせ皆外出してるし、食堂使う奴もいないだろ」

まあ確かに皆私服に着替えて観光してたから、態々今日食堂を使う人は居ないかも。それに靴を見る限り私達しか居なさそうだ。

『冷蔵庫に入ってるのは自由に使って良いみたいだから、ありがたく使わせ貰おうよ』
「ああ」

私も手伝おうと思ったのだけれど、京介が座ってろって聞かないので仕方なくテーブルの用意をして待つ事にした。

『わぁ…!美味しそう』
「中学の頃、母さん達は仕事で帰りが遅かったから自分で作ってたしな」
『え、偉いよ…中学時代の剣城少年…!』
「その呼び方はやめてくれ…」

感動しつつまずは手を合わせて一緒にいただきますと唱えた。スプーンで一口分を装って頬張る。

『美味しい〜!大天才優勝!』
「そ、そうか」

褒められて嫌じゃなさそうで安心した。心なしか少し口角が上がって花が舞っているように見える。

『ありがとね』
「気にするな」

一口目から最後まで幸せいっぱいな気持ちでもぐもぐ頬張った。好きな人が作ってくれたご飯はあまりにも美味しい。

『食器は私が洗うよ。先に部屋に行ってて』
「俺も手伝う」
『ありがとね。じゃあお皿拭いてくれる?』
「ああ」

2人で食器の片付けまで完璧に終わらせて、私の部屋に戻ってきた。お腹いっぱいなのであまり動く気になれないが、私は今がチャンスとばかりに兼ねてからのお願いをしようと思うのだ。

「体調はどうだ」
『大丈夫。ゆっくり休めたよ』
「そうか」
『あのさ。明日にはもう日本に帰るでしょ?そしたらもう次の日には入院しなきゃいけないじゃん』
「そうだな」
『それでね』

本当は言うのさえ躊躇われる。だってキスすら碌にしてないのに、それをすっ飛ばそうって言うのだから。言ったら反対されそうだなとは思うけど、どうしても入院する前に踏み込んでおきたいと思ってしまったのだ。

『そういうこと、しませんか』
「…は」
『キスもしたい。それ以上のことも』
「そ、れは…」
『お、お願い、します…』

柄にもなく緊張してぷるぷると震えた。そういう行為に恐怖はなかった。京介の優しさを知っているから。どちらかというと断られて嫌な女だと思われる方が嫌だった。

「…」
『皆が帰ってきちゃう前に、おねがい』
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