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Diva!【イナズマイレブンGO】

第43章 Sightseeing!〈遠坂 雪音〉


世界大会で優勝した翌日、目が覚めると既に菖蒲はライオコット島を離れていた。菖蒲はよく誰にも何も言わずふらっと一人でいなくなる。あれほど周りに心配かけるからやめろと言われているのに、どうも癖が治らないらしい。LINEには観光楽しんできてとの連絡しかなかった。心配させないためにわざわざ気を遣うのだ。そうする方が余程心配なのに。

「起きたか」
『うん。おはよう。観光日和のいい天気だね』

自分に言う皮肉みたいだった。どうせまた菖蒲が危ないことに首を突っ込もうとしてることは分かってるのに、自分では指を咥えて待っていることしかできない。そんな状態でどうやって観光を楽しめって言うのか。

「何かあったのか」
『菖蒲、帰っちゃった』
「雨宮はいたぞ」
『一人で帰ったんだよ。どうせまた危ないこと一人でやろうとしてるんだ』
「よく分かるな」
『分かるよ。最近の菖蒲は特にそうだから。生き急いでるようにしか見えないの』

でも、私が付いていったところで解決できる問題かは分からない。でも、あれほど言っても一人で行ったって事は私がいない方が良かったということだろう。そろそろ菖蒲のことを信じようと思う。

『もういいや。菖蒲にも何か考えがあってのことだと思うし、今日は観光楽しもうかな。それが菖蒲の願いみたいだから』
「そうか。朝食の時間だから、行くぞ」
『うん』

今日は特に服装の指定はないみたいだったから珍しく私服を引っ張り出してきた。水色の生地にピンク色の花柄がプリントされている。オフショルダーや胸のフリルが気に入って買ったものだ。ライオコット島は暑いからこの服装でちょうどいい。履いてきたローファーでも良いけど、実はサンダルを借りることもできるのだ。

『これなら服に合いそう』

白い花が特徴的な白のサンダル。悪くない組み合わせだ。あとは日よけに黒いリボンが巻かれたカンカン帽を被るだけ。

『お待たせ』

クリアショルダーバッグもついでに引っ提げれば完璧。

『かわいいでしょ』
「あ、ああ」

会うたびそんなに顔真っ赤にして。いい加減なれたら良いものを。でも、見てて面白いからいいや。

『日本では冬だって言うのに、この島は夏だからなんだか変な感じ。慣れてはきたけど』
「体調に気をつけろよ」
『そんなに心配しなくたって大丈夫だってば』

私が体が弱いのもあるけど、京介はすぐ心配する。
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