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Diva!【イナズマイレブンGO】

第41章 HLHI Ⅶ〈遠坂 雪音〉


菖蒲が不思議な夢を見てから、菖蒲はぼーっとする事が多くなった。何やら色々考えている様で、私や雨宮君が声をかけても一回で反応しない。それほど考えざるを得ない夢なのだろうか。

『なーんか、嫌な天気』
「もうすぐ一雨来そうだな」
『あれ、何これ』

グラウンドの隅に落ちていた腕輪と思しきもの。水色の線がアクセントになっている。それともう一つ、黒が基調で赤の線がアクセントの腕輪。これ、対になっているのかな。

『この白い方、好きだなあ…』
「おい、それなんか変だぞ」
『でも』

そう言いつつ、腕輪を付けてみた。魅了されるデザイン。同じデザインなのに、何故白い方に惹かれたのだろう。

「雪音?」
『あ、菖蒲。これ見つけたんだけど』
「ね、これ雪音が付けてるのとお揃い?付けてみても良い?」
『良いんじゃない?』

菖蒲がもう一つの黒い腕輪を付ける。お揃いでなんだか嬉しかった。

「お前達、それ!どこで見つけた⁉︎」

鬼道コーチが急いで此方へ走ってくる。私と菖蒲は何も分からず首を傾げるばかりだった。

「それを外せ!今すぐに!」
『は、はい』

そう言われて外そうと思ったが全く外れない。なんで、付ける時はすんなり付けられたのに。

『外れない…』
「わ、私も。なんでだろう…」

嫌な予感がし始めた。これ、知っている。心が踊って、ハイになる。どこまでも、どこまででも飛んでいけそうなこの感覚。でも、この気持ちを強制的に引き出されちゃう様な。

『いや、嫌だ。出てこないで…やめて』

(やっと、私が出ていける)

『私の、身体なんだから…出てくるな…!』

(貴方がいて良かった。とても、都合が良い)

「雪音!おい!」
『来ないで…この感覚…あの時の…』
「雪音⁉︎」

背中から真っ白な綺麗な翼。嫌だ。ヴィーナスは、私を乗っ取る気なんだ。

「ああ、待っていました。我らが女神」
「セイン…お前1000年後に目覚めるはずじゃなかったのか!」
「女神様が我らを呼んでいるのに、寝ていられる訳がなかろう」

私の意識がどんどん塗り替えられていく。いや、京介…。どうして離れ離れにするの。

『可哀想な子。私に争っているのね。無駄よ』
「雪音!」
『残念。貴方が求める子はもういないわ。この子は私が貰ったの』
「どういう事だ」
『そのままよ。あの子の身体を乗っ取って私のものにしたの』
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