第33章 Girls!〈天晶 瑪瑙〉
『私達兄弟は皆やりたい事自由にやってるからね。私もやりたい様にやらせて貰ってるよ』
と言っても普通に就職して、普通に生きていきたいっていうそれだけなんだけど。
『あ、そうだ。メイクするっていう話だったね。もし良ければ、これから私のお家に来る?』
「良いんですか⁉︎」
『うん。ちょっと待ってて。確認してくる』
席を立って、店の外へと出た。スマホの連絡先から同居人を探す。
『もしもし、優一君?』
「瑪瑙?どうかした?」
『これからお友達2人をお家に連れて行きたいんだけど、大丈夫?』
「京介ともう1人いるけど…どこかで時間潰してこようか?」
『ううん。大丈夫。私の部屋だから。今から帰るね。何か買ってくるものある?』
「いや、大丈夫だよ。昨日買い足したからね」
『分かった』
電話を切った所で2人がお店から出てきた。ちょうど片付けが終わった所の様だ。
「どうでしたか?」
『大丈夫。今からでも来ていいって』
「やったー!」
「なんか緊張してきた…」
確かに初めてお友達のお家に行く時とかは緊張しちゃうもんね。私も初めて優一君のお家に行く時は緊張したなあ。
『そんなに畏まらなくても大丈夫だから、ね?』
緊張をほぐして、道中は引き続き女子トークを楽しんだ。なんだかんだと笑っている間にいつも私と優一君が暮らしている家へと到着。
『ここだよ。さ、入って』
「「お邪魔します」」
中へ通して、玄関の鍵を閉めた。
「雪音?」
「菖蒲も」
『もう1人っていうのは太陽君の事だったんだ』
「なんで2人がここに?」
「僕たちも偶々優一さんと剣城君とお家で遊ぶ約束してたんだ!」
へぇ。そんな約束してたんだ。珍しいなあ。この3人って病院繋がりってとこだろうけど。
『私達、お部屋にいるね』
「分かった」
『雪音ちゃん、菖蒲ちゃん、こっちだよ』
階段を上がって、優一君の向かいの部屋のドアを開けた。
「ここが瑪瑙さんのお部屋…」
『さ、座って。お茶淹れてくるね』
キッチンでお茶を淹れて、部屋へ戻ると今日買ったらしきコスメを机に並べていた。
「ありがとうございます」
『これ、今日買ったの?』
「そうなんです」
『可愛い。折角だからこれ使ってみよっか』
「はい!」
先ずはメイクを落として、メイク道具一式を机に置いた。
『じゃあ、始めるよ』
これからとびきり可愛くしてあげる。