第33章 Girls!〈天晶 瑪瑙〉
やっと長引きまくった講義が終わり、昼下がりのなんともぽかぽかした時間に町へ出た。平日の午後はかなり人が少なく、どの店も割と空いている。
「瑪瑙さーん!」
のんびりと並木道を歩いていると、後ろから声をかけられた。
『雪音ちゃんに菖蒲ちゃん。どうしたの?こんな時間に』
「今日は学校の創立記念日で休みだったんです。久しぶりに菖蒲と遊んでて」
『そうだったんだ。それにしても二人とも可愛いよ』
「実は新しいコスメを買って試してたんです」
菖蒲ちゃんも雪音ちゃんも嬉しそうに笑っていた。皆可愛くなる努力をしているということだ。
「瑪瑙さんさえ良ければ、これから一緒に女子会しませんか?」
「えっ」
『良いの?私一人だけ女子高生じゃないけど…』
「参加資格は女子であることなので!」
『なら、ぜひご一緒しようかな』
雪音ちゃんとは剣城家繋がりで割と交流はあるけど、菖蒲ちゃんとはあまり話したことはない。この機会に仲良くなれるといいんだけど。
「じゃあス〇バ行く?ここから一番近いよね」
「というわけでどうでしょう!」
『良いよ。そこに行こうか』
笑ってOKを出し三人でカフェへ。私は昔から社交的な性格ではないから上手く話せるか心配になってきた。
「そういえば、瑪瑙さんって今大学何年生なんですか?」
菖蒲ちゃんが会話を切り出してくれる。無難な話題はかなりありがたい。
『今大学三年生だよ。今は就活中かな』
「じゃあ凄い忙しい時期なんですね。すみません」
『気にしないで。ちょうど気分転換にお出かけしに来てたの。それに二人とお茶できてとっても嬉しいよ』
正直就職できるかどうかは全然自信はないが、とりあえずやりたい職種に手当たり次第にアタックしている状態だ。三年のうちに就活をしておけば後から楽できるかもしれないという理由だけだが。
『二人は席を取っておいてくれる?私まとめて頼んでくるよ。何がいい?』
「私新しいドリンクで!」
「あ、私もそれで」
『分かった』
私も同じドリンクでいいかな。折角なら同じもの飲みたいし。あとはちょうどおやつの時間だしスイーツも種類バラバラに買っておこう。
『お待たせ。好きなスイーツ分からなかったからバラバラに買ってみたよ。好きなの食べてね』
「い、良いんですか?」
『気にしないで。今日は女子会記念として私の奢りだから』
「えぇ…⁉」