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Diva!【イナズマイレブンGO】

第4章 Prop!〈遠坂 雪音〉


いつもの訓練が無く、休みだった日の事、夕食前にある人物が訪ねてきた。それは…私がゴッドエデンに居た時の心の支えだった…優しい人。

『剣城君も…此処に居たんですね』
「ああ」
『雷門は…どうですか?サッカーで有名だと聞いたので…きっと剣城君も活躍しているんでしょう?』
「…」
『剣城君…?』
「違う…俺は…雷門を潰すのが目的だ」

潰す…か…。この組織の目的が本当に良く分からない…。


『そう…ですか…。でも、剣城君は、そんな事したく無いんですよね』

剣城君はそのまま顔を背けた。きっとやりたくもない事をやらされているのだろう。

「お前は…」
『私は相変わらず…気絶したら此処に投げ入れられる生活です。でも、雫ちゃんが助けてくれるので…あんまり不安はありません』
「そうか…」
『雫ちゃんが言ってました。全て終われば…私も解放されると』
「全て…終わる?」
『意味はよく分かりませんでした』
「お前な…」
『えへへ…すみません…』

全て終わるという事は、きっと雫ちゃんは何かを知っている。でも、それを話さないという事は、まだ内密にしていたいという事なのだろう。

「遠坂」
『はい…?』
「一つ…言う事があるだろ」
『言う事…?』

私…剣城君に謝らなければならない事をしたっけ…?ど、どうしよう…怒らせちゃった…。

『ご、ごめんなさい?』
「そうじゃない」
『え…?』
「お前は、このままで良いのか」
『このまま…』

このまま…使い捨てられて…。研究の材料にされて…本当は嫌だった。だって、皆の所に帰りたい。菖蒲ちゃんに会いたい。何の変哲もない、ただの中学生として学校に通いたかった。

『嫌です…!私は…普通の中学生に…戻りたい…!』
「ああ」
『こんな事…剣城君に言うのは間違っているって分かってます…!でも…』
「言っていい」
『助けて…下さい…!お願い…します…』

涙が出てきてしまうのは…きっと今まで気を張ってきたから。今まで一人でどうにかしなきゃと思っていたから。

「ああ…助ける」
『でも…剣城君は…』
「何とかする」
『でも、私の事より先に、先ずは御自身の事を解決して下さい。幸か不幸か…この生活にも慣れてきてしまいましたし…。私は大丈夫ですから』

剣城君にはお兄さんがいる事をゴッドエデン時代に聞いている。詳しくは話してくれなかったけど…。
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