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Diva!【イナズマイレブンGO】

第30章 Summer Dude〈栗花落 菖蒲〉


「海だ〜!!」
『ちょ、恥ずかしいから声のボリューム落として!』

太陽が元気に夏の海を走り回る。まだ着替えてもいないのに随分と元気な事だ。

『ほら、まずは着替えてこようよ。話はそれから、でしょ?』
「そうだね!じゃあ更衣室横に集合で!」
『分かった。じゃあまた後でね』

自分ではこれが限界だったけど、今日の髪型は左右のシニヨン。リボンも付けて、自分では納得のいく髪型になれた。

『緊張する…』

実は着替えにあまり時間がかからない様に最初に水着を中に着てきたのだ。緑のカシュクールタイプの水着で首元でリボンを結ぶ形になっている。最後に日差し避けの麦わら帽子で完璧だ。

『太陽、お待たせ…!』

更衣室横の日陰に浮き輪を持って立っている太陽の元へ駆けつけた。

「菖蒲…綺麗…!」
『あ、ありがとう…太陽も似合ってるよ』
「ありがと!でも菖蒲が一番綺麗!」
『へっ⁉︎あ、ありがとうなんだけど…照れるからその辺で…。そ、そうだ、まずはちょっと海で遊んでこない?』
「良いよ!せっかく浮き輪もあるしね!」

海に来れて浮かれてるのか、嬉しそうに海へと走っていく。太陽が元気なところを見てると私も元気を貰えて笑顔になれる。

『もー!待ってよ!』

私も満更じゃなくて、暑くなる前のぬるい砂を蹴っていく。

『わっ…冷た』
「まだ午前中だから、水温も低いかもね」
『それっ』
「うわっ!やったなー!」
『油断してるから…』
「僕だって!」

冷たい水が飛沫をあげてキラキラ光っている。雲一つない青空で、太陽が燦々と降り注ぐ。風が生暖かくて、湿った風が肌を撫ででいった。

『高校生にもなって、やってる事小学生と同じだね…』
「僕はあまり海に来れなかったから、すごい楽しいよ」
『私も、海にはあんまり行かなかったな。学校のプールとかくらいしか』
「学校のプールってなんかちょっと嫌じゃない?」
『確かに…なんとなくぬるくて汚れてる感じがさ』

プールは好きじゃない。泳ぐ速さは人並みだけど、水着って身体のラインが分かりやすくなるから苦手だった。

「泳ぐのは好きなんだけどなあ」
『太陽って、泳げるんだ』
「失敬な!僕だってちゃんと泳げるよ!持ち前の運動神経で!」
『うん、分かった。分かったから落ち着こう』

ふんすと鼻を鳴らして怒っているところはいつ見ても可愛い。中学生の時からそうだ。
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