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Diva!【イナズマイレブンGO】

第1章 Prologue!〈栗花落 菖蒲〉


『もう、姉さん!心配したんだから!』
「ごめんごめーん!油断してた〜」

姉さんが事故にあったと病院から連絡があって、急いで駆けつけてみれば…。足を骨折したらしいが、車を避ける時にやってしまっただけで、事故というより完全なる不注意だった。

『本当にお騒がせなんだから…』
「えへへ…」
『はぁ…心配して損した』
「えぇ…ちょっとは心配してよ…」
『はいはい。無事なようなら何より。今日はこれで帰るね』
「え〜!もう少し話そうよ〜菖蒲〜」
『私だって忙しいんだから。じゃあね、姉さん。多分後でお父さんとお母さんも来るだろうし』
「はぁ〜い」

姉さんの病室を後にして、病院を出ようと思っていたその時。ある病室の前で凄い風が吹いてきた。

『さ、さむっ…』

横を見ると病室のドアが開きっぱなしで、奥のベッドからは丁度同い年位の少年が此方を見て微笑んでいた。

「ねぇ、君。僕の話相手になってよ」
『え…?』
「ほら、こっち」

言われるがままに、その病室に入った。開きっぱなしの病室のドアを閉めて、その少年に近寄る。

「こんにちは」
『こ、こんにちは…』
「そんなに固くならないでよ。僕は雨宮 太陽。君は?」
『私は…栗花落 菖蒲』
「菖蒲かぁ〜!宜しくね!」

入院してる割には元気な奴だなと思った。正直何で入院しているのかも分からない位。

『元気だね…』
「うん。良く言われるよ」

姉さんみたいだ。見た目は凄く元気なのに、とても不思議な人だった。何処か儚げな表情は、きっと色んな物を抱えているんだろうと推測できる。

「今日は僕の中学校の入学式だったらしいんだ」
『へぇ…そう言えば姉さんも…』
「菖蒲にはお姉さんが居るんだ」
『まぁ…今は入院中だけど』
「えっ…」
『三つ位隣の病室に居ると思うよ。今日、入学式の帰りに骨折して入院したの』
「どうして?」
『コケて』
「…ぷっ…あはは!菖蒲のお姉さんは面白いんだね!」
『お騒がせなだけだよ』

自分の姉に呆れながら溜息をついた。本当に小さい頃から毎度毎度こんな感じで、こっちがどれだけ心臓があっても足りないと思う。

「君は帝国学園なの?」
『うん。帝国の方が入学式早いから』
「その制服で何となく分かったよ」
『まぁ…こんな軍服みたいなの着てれば誰だって分かるよね』

帝国は黒い軍服に赤のボックスプリーツのスカートが基本の制服だ。
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